自然災害で被災するよりも高い確率で罹患する可能性がある国民病といえる「がん」。どこか他人事のように感じている方のほうが多いのではないでしょうか。自身ががんに罹患しなくても、家族や身近な人ががんに罹患する確率はとても高いといわれています。
また、がん対策基本法(平成18年法律第98号)の下、政府が策定したがん対策推進基本計画(平成24年6月)において、中学校や高校では、健康と命の大切さについて学び、自らの健康を適切に管理し、がんに対する正しい知識とがん患者に対する正しい認識をもつよう教育することを目指し、「がん教育」の授業が始まっています。
がん教育を受けていない私たち大人も今一度、がんについて正しく理解し、どう備えるべきか考えてみませんか。
意外と身近な「がん」

まず、「がん」が私たちにとって、どれだけ身近な病気なのか見ていきましょう。
様々な自然災害や事故の発生確率を下記にあげてみました。
- 台風が通過:100%(台風が都道府県庁所在地から半径30km以内を通過する確率)
- 火災で被災:1.9%
- 交通事故で死亡:0.2%
- 大雨で被災:0.5%
- 交通事故で負傷:24%
- 台風で被災:0.48%
- 航空機事故で死亡:0.002%
(出典:文部科学省地震調査研究推進本部地震調査委員会「地震の将来予測への取組」「全国を概観した地震動予測地図」2008年版)
続いて、下記はがんと診断される確率と、がんで死亡する確率です。
日本人が一生のうちにがんと診断される確率は(2018年データに基づく)
最新がん統計 国立がん研究センターがん情報サービス(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)
男性65.0%(2人に1人)
女性50.2%(2人に1人)
日本人ががんで死亡する確率は(2019年のデータに基づく)
男性26.7%(4人に1人)
女性17.8%(6人に1人)
上記を比較してみると、がんに罹患したり死亡する確率は、自然災害で被災したり事故に遭遇する確率より、非常に高いことが分かります。
私たちは自然災害での被災や、事故に合うことを防ぐための備えをしますが、その一方、がんへの備えはどうでしょうか?
がんに対して、「保険に入っていれば大丈夫」「いざ罹患しても、先進医療を受ければ何とかなる」ではなく、日々更新されていく情報をキャッチして、いざというときのために賢く備えておくことが大切です。
がんのイメージと知識

さて、あなたはがんに対してどんなイメージや知識を持っていますか?
“がん=死に至るこわい病気” “痛い” “苦しい” “そもそもイメージが沸かない”など、様々な意見があると思います。
ここでは内閣府が平成28年度に行った「がん対策に関する世論調査」の結果にふれていきます。
がんに対する印象と理由
がんについてどのような印象を持っているかを聞いた質問では、
「こわいと思わない」「どちらかといえばこわいと思わない」の回答 26.8%
「こわいと思う」「どちらかといえばこわいと思う」の回答 72.3%
との回答結果となっており、「こわい」と感じている方の割合が圧倒的に多いことが分かります。
がんをこわいと思う理由については、下記のとおりでした。
・がんで死に至る場合があるから 72.1%
出典:「がん対策に関する世論調査」(内閣府) (https://survey.gov-online.go.jp/h28/h28-gantaisaku/index.html)(2021年8月30日に利用)
・がんの治療や療養には、家族や親しい友人などに負担をかける場合があるから 55.2%
・がんそのものや治療により、痛みなどの症状が出る場合があるから 50.0%
・がんの治療費が高額になる場合があるから 46.3%
がんに関する知識
続いて、がんに対する知識についての質問では下記の回答となっています。
・がんの治療方法には、大きく手術療法、化学療法、放射線療法がある 63.7%
出典:「がん対策に関する世論調査」(内閣府) (https://survey.gov-online.go.jp/h28/h28-gantaisaku/index.html)(2021年8月30日に利用)
・たばこは、さまざまながんの原因の中で、予防可能な最大の原因である 61.8%
・子宮頸がんのように若い世代で増えているがんもある 61.2%
・日本では、死亡者の約3人に1人が、がんで死亡している 43.4%
・日本では、約2人に1人が、将来、がんにかかると推測されている 31.3%
・がん全体の5年生存率は50%を超えている 29.5%
・わからない 4.1%
驚くべきは、「日本では、約2人に1人が、将来、がんにかかると推測されている」「がん全体の5年生存率は50%を超えている」との回答が3割ほどしかなかったということです。この数値をみてどう感じますか?
諸外国と比較した日本のがん検診受診率が国際的に低い要因も、がんについての知識量が少ないことと関係しているのかもしれません・・・。
もし、がんになってしまったら

自身が、家族が、家族以外の身近な人が、がんになってしまったら・・・
あなたならどうしますか?
自身が罹患した際はどうがんと向き合うのか、家族や身近な人が罹患した際はどう患者に接するのか、考え備えておくと良いでしょう。また、これらを考えるには、がんについて正しく理解し、信頼できる情報を得ることが重要となります。
<自身ががんになった場合>
・つらい気持ちに対して、自分らしい向き合い方を大切にする
・医療者と信頼関係を築く
・信頼できる正しい情報を得る
・治療中や治療が一段落したあとの生活や暮らしのことについて、周囲に理解と協力を得ておく
引用:もしも、がんと言われたら —まず、心がけておきたいこと 国立がん研究センターがん情報サービス(https://ganjoho.jp/public/knowledge/moshimogan/index.html)
<家族ががんになった場合>
・患者の気持ちや希望を理解する
・情報とうまく付き合う
・支える側の人間も自分自身を大切にする
引用:家族ががんになったとき 国立がん研究センターがん情報サービス(https://ganjoho.jp/public/support/family/fam/index.html)
<身近な人ががんになった場合>
・がんについて正しく理解する
・患者やその家族の価値観を尊重する
・接し方を考える
引用:身近な人ががんになったとき 国立がん研究センターがん情報サービス(https://ganjoho.jp/public/support/family/familiar.html)
情報収集で常に備える

治療法や療養生活のことは、患者と担当医で決めていくことになります。納得できる治療を受けるために、がんについての情報を得ておきましょう。不安を解消したり、治療を検討する材料として情報が判断材料になります。
更にがんの情報を得ることは、患者やその周囲の人を支える力になります。
そこで、がん情報サービスに掲載されている「がん情報を探すときの5つのポイント」と「がん情報を見極めるときの3つのポイント」をご紹介します。※詳細はがん情報サービスサイトにてご確認ください。
<がん情報を探すときの5つのポイント>
・今、必要な情報は何か、考える
・インターネットを活用する
・がん相談支援センターを利用する
・信頼できる情報か、考える
・行動する前に、周囲の意見を聞く
<がん情報を見極めるときの3つのポイント>
・いつの情報か
・だれが発信しているか
・何を根拠にしているか
引用:情報を探すときのポイントとは 国立がん研究センターがん情報サービス(https://ganjoho.jp/public/knowledge/moshimogan/pdf/moshimogan03.pdf)
上記でご紹介した方法で情報収集をするのも良いですが、がんについて情報発信をしているセミナー(オンライン)に参加するのも、1つの方法です。
そこで、筆者オススメのがんセミナーをご紹介します。
参加してみよう!無料オンラインがんセミナー
今回は、CMでおなじみの「マネードクター」(通称マネドク)と(株)プロフェリエ共催のオンラインがんセミナーをご紹介します。※zoomでの開催です。

– がんについて正しく備えるために –
あなたの知らないがんのハナシ
<日 時> 2021年9月22日(水) 19:00 – 20:00
<参加費> 無料
<講 師> 高橋 義人 (がん治療支援者)/ 株式会社M&Fパートナーズ 代表取締役
登壇するのは、患者さんの目線に立ち、がん治療に関する「情報提供」を行っていきたいと、株式会社M&Fパートナーズを設立された高橋さんです。がん治療支援者として、年間150回以上セミナーに登壇されています!
今回のセミナーでは、リアルな事例をもとに、治療や治療にかかるお金、最前線の情報など様々な観点から、がんについてお話しくださいます。無料のセミナーですので、お時間がある方はお気軽にご参加ください。
*オンラインセミナーの詳細や、申込については、セミナー画像や講座タイトルのリンクよりご確認ください。
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